BARを開けて、何かと話題に上がるのは もう何年も前のラングラーランチでの思い出話。
宿を開けて、昔から小淵沢を知る人々から聞くのは、古くからのラングラーランチとの関わり。
移住して20年近く経ち、先輩や先人から聞けば聞くほど、知れば知るほど、
「果たして自分は、ラングラーランチがもし無かったら小淵沢に引っ越してきているのだろうか?」
との思いを抱かずにはいられない。それほどに何もかもが辿れば行き着いてしまうのがラングラーランチという存在でした。
私が移住を考えはじめた頃、既に多大なる影響を残した先代のボスが亡くなってから5年以上が経っていたのですが、まだ僅かに残っていたそんな匂いに惹きつけられてきたようにも思います。
そして息子さんである現在のボスは何と私と同じ歳。
ずっとなかなか会う機会も無く、周りからの話ばかりで頭が膨らんできた訳ですが、ここ最近になって会う機会も増え、少しずつ話をする機会が増えていきました。
そんな中で昨年のことになりますが、1974年という年に先代ボスがそれまで通っていたクラブを辞め、自分で乗馬クラブを始めたことを知ります。
「あれ、来年50周年じゃあないですか!もし何かやるのであれば、何でもやるんで手伝わせてください。」
只々、感謝の想いがずっとあって、思わず口に出た言葉でした。
以来、何かやりたいねという話は続きました。
18年前に30周年のパーティーを行なったそうです。それは現在の場所に移転してから30年。
なので漠然と2024年から2年間のどこかで50周年をやろうということになった訳ですが、撮影スケジュールの予定をはじめ、周辺の状況も考えていくうちに、2024年中に行おうということになり、またスケジュールの都合から7月7日という日が決定しました。
昨年末より徐々に準備を始め、今年に入ってからは、もうずっとこのことばかりを考えていました。
事務局的なことを請け負ってしまったので、名簿の作成から始まったのですが、50年分です。最初からどうしようかと悩み、手をつけてはまた悩むことの繰り返しでしたが、ボスやスタッフの協力も得ながら徐々に前に進めて行きました。
当日のステージをお願いしたミュージシャンは坂本愛江さん。
愛江さんのお父さまはカントリーシンガーの坂本孝昭さん。昔よくラングラーランチでもコンサートを開催されていたようで、沢山の方から「ラングラーランチのパーティーの最後は坂本さんの『母からの便り』をみんなで歌うんだよ」とも聞いていました。残念ながらお父様は当時闘病中でステージに立つことも出来なくなっていたのですが、愛江さんもラングラーの思い出が沢山ある、ということで快く引く受けて頂きました。当日は私が横浜にいた頃より親交のあった片山誠史さんも参加してくれることが決まり、心強い援軍となりました。
そしてもう1組、ラングラーではカッチンの名で通ったブロンコさん。10代の頃よりラングラーに入り浸り、今もなおカントリーミュージックを盛り上げようと精力的にライブを続けています。Lamps Lodgeでも以前お世話になりました。
準備最中の4月17日に坂本孝昭さんの訃報が入りました。
奇跡を信じ、いつかまた坂本孝昭さんの笑顔にもお目に掛かれることを願っていたのですが、哀悼の意と共に、一層、精一杯成功に向けて頑張らねばと気を引き締しめ直しました。愛江さんには辛い大変な時期にステージをお願いすることになってしまいましたが、当日の素晴らしいステージ、本当に有難うございました。
当日は7月頭とは思えないほど気温が上昇しましたが、時折吹く風はまだ少し涼しく、終始いい天気の中、無事に楽しい時間を過ごすことができました。過ぎていく時間の中で、ラングラーランチ50年来の皆様の笑顔を見ながら、話を聞きながら、これまでに色々な方々から聞いてきた話も合わせて、自分なりの様々な想像が頭の中を巡っていました。
まだこの周辺に何も無かった頃から、人を集め、楽しみ、仲間を作り、シーンを広げ、やがて代が変わりながらも、50年という月日を経てまだ第一線として存続、活躍をしている姿は、感謝しかありません。
今回、そんな1日に関われたことが本当に有り難かったです。
お世話になりました本当に沢山の皆さん、有難うございました。
Wrangler Ranch、ありがとうございます!
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