僕は横浜とは言っても横浜の端っこ、大和に隣接する瀬谷という所で生まれ育ちました。家の近くからは海軍道路と呼ばれる何キロも真っすぐな道が伸び、片側は米軍通信隊の基地、反対側には広大な農地が広がり、日の出から日の入り迄何にも邪魔の無い360度の景観が広がってた美しい場所でした。近くには厚木基地、座間キャンプなどの米軍基地が点在し、そこから入ってくる刺激的な文化と共に周辺の町は70年代頃まで随分と賑やかだったようです。
70年代中頃からはそんな神奈川県県央地域にも全国からミュージシャンも集まりはじめ、ライブが聞ける店も出来始めました。80年代には横浜でそんな流れを汲んだお店で働き始める訳ですが、当時よりそんなシーンで有名だったのがMooneyさんであり、今回のケニ井上(井上憲一)さんです。
横浜では昔よりジャズは盛んでしたが、ライブハウス以外でロックやブルースにお目にかかる事は滅多に無く、それも弾き語りというスタイルで見た時にはかなりの衝撃だったのを覚えています。
76年にソロアルバムを出したケニさん。丁度40周年ということで今回久しぶりの八ヶ岳に寄って頂くことになりました。
ケニ井上(井上憲一)さんは70年代より久保田麻琴と夕焼け楽団〜Sandii & The Sunsetzのギタリストとして有名に。当時のアメリカ西海岸の流れを汲んだロックからハワイアンや沖縄、レゲエやニューウェーブまで様々なスタイルをギターで支えて来たギター職人。当時よりずっと大和などの小さなレストランやバーでもソロライブを続けながら、ボ・ガンボスのどんとと結成した海の幸でもケニさん無しでは考えられないサウンドの要でありました。
その繰り出されるフレーズと壷を押さえたバッキングは、いつでもその音楽の地に聞いている人たちを誘ってくれます。形容が難しいのですが、とにかく気持ちが良い。
ヴォーカルも味のある温かい歌。そしてまた好評の曲間のお喋り。
40年前のソロアルバムより数曲を披露の後、キャッシーさんが参加。キャッシーさんを迎えてはイノウエオハナの名で活動中。ウクレレをバッキングにグルーヴが増してきます。
まさにリゾートにぴったりの音楽。
最後迄2人の息の合ったステージで七夕の夜を楽しませて頂きました。
半年以上振りのライブとなってしまいましたが、やはり音楽はいいですね。バーでは身近な日常の音楽としてこれからもライブを開催していきたいと思っています。どうぞ宜しくお願いします。
来て頂いた皆さん有難うございました!