第6回 THREE PEAKS YATSUGATAKE TRAIL

地元八ヶ岳南麓で行なわれるトレイルランニング・レース「スリーピークス八ヶ岳トレイル」も早第6回を迎え、そして無事終了することが出来ました。

毎年、たっぷり6ヶ月以上の準備期間を経て、実行委員も期待や不安を共有してきた中での大会2日間。何回行っても毎年の緊張は変わりません。その中でも今年は特に大変な大会前1週間を過ごすことになりました。

自然相手のスポーツ、天気に左右されることは百も承知な訳ですが、それでも過去5回は何とか天気に恵まれてきました。毎年梅雨入りするかしないかの時期の開催で、雨や風の心配はつきものでした。しかし今年はいつもの梅雨前線だけでなく、何と台風の直撃という予報が1週間前に出たのです。熱帯低気圧や台風、そして梅雨前線が絡むと天気は予報も目紛しく変わって行きます。毎日変化する予報の中で、最後の準備も大詰めを迎えている中での台風対策。大会が中止になること、中断になること、コースが変更すること、スケジュールやスタッフの配置から準備などなど、様々なシュミレーションに追われる毎日となりました。

スリーピークスはスタッフの数も多く、その配置されるポイントも多い為に、移動や連絡も大変です。また距離のわりに標高差が1500mと多く、スタート&ゴール地点と最高地点、また多くのコースが交差するメインの中間地点では天気も大きく変わります。いくつものパターンを考えても、どんな準備をしても、実際に何が起こるかは計り知れません。またそれに伴う交通機関の状況も考えれば想像は果てしなく、いくつもの天気予報を数時間置きに確認しても、不安は消えること無く時間が過ぎて行きました。

 

前々日、大会の大きな準備となる日。雨を覚悟していましたが天気は晴れ。どうやら台風になりそうだった熱帯低気圧はそのまま、前線の北上も抑えられているようです。会場の設置や看板の設置は雨を想定していたからなのか、例年よりスムーズに進みました。台風の直撃という事態は避けられそうになりましたが、それでもまだ日曜日の天気予報は雨。気温は高く、湿度も高く、豪雨や雷や濃霧、風、まだまだ当日何が起こるかは予想もつきません。

前日土曜日はプレイベントとマルシェ、そして受付の開始。そして天気は快晴。真夏のような日射しの下、第6回スリーピークス八ヶ岳トレイルはスタートしました

続々と立ち並ぶメーカーのテントにマルシェのブース。何故か例年より風も少なく感じます。集まる笑顔の中、とにかくひどい雨にならない様祈るばかり。

室内予定を覚悟していた競技説明会も青空の下で。それでもまだ翌日の天気によっては中止もあり得る説明をしなければなりませんでした。

復活した前日イベント、ロゲイニング Koaramap も参加者みんなが「暑かった〜」と口を揃える程の良い天気。そのお陰もあってか例年以上の盛り上がり。

前夜祭前、僅かに染まった夕焼けに少し期待を持ちながら、明日の天気を祈ります。

しかしこの後、日が暮れると突然の豪雨。会場ではテントから隣のテントまで歩けない程の凄い雨。前夜祭会場もそうだったようなのですが、両隣の小淵沢や清里では降っていないという超ピンポイント豪雨だったようです。土砂降りの中、甲斐駒ケ岳や八ヶ岳はハッキリ見えていましたから、そのピンポイントさが解ります。1時間程で雨は小降りになったのですが、心配はまだまだ続くことになりました。

そして大会本番の日曜日。どんよりとした雲の下、予報では雨は午後から。朝一番に、山の中腹は霧があるものの、稜線は視界も開けているという報告が入りました。風も少なく、警報も無く、無事にスタートを切ることが出来たのです。

みんながスタートを切って、各ポイントから無線が入り、最終ランナーがポイントをひとつクリアする度に安堵し、また不安との繰り返し。昼になって会場では少し雨がパラついてきましたが、最終ランナーが標高の一番高い所を無事に越えるとそれまでの緊張も少し和らぎました。大会自慢の景色はお預けだった訳ですが、ランナーには意外と走りやすくもあった気候だったようで、レースはいつも通りの盛上がり。それでも頭の中を占めていたのは天気と今山の中にいるランナー達。ゴールでは帰って来てくれたランナー一人一人に感謝の気持ちを例年以上に強く感じました。

そして我が家にはもうひとつ、今年は高校エントリーで息子が走った最初の大会。実は1ヶ月程前に倒れ、参加も一時諦めていたのですが、1週間前にお医者さんからも認められ、無事に出走。練習不足と散々親からも無理するなと言われ100%の力は出せない状況だったと思うのですが、第1回目に参加した私を軽く上回るタイムで帰って来てくれました。今年からコースが1km伸びているのに(笑)。単純に嬉しいです。どうぞ来年は思いっきり走って下さい。

毎年感動の最終ランナーを迎え、やっと安堵の時を迎えることが出来ました。
結局、小降りの雨が数回ありましたが、大きな天気の崩れは無く、事故無く終わることが出来たことに本当に感謝です。

今回も発足当初から色々なことがあって、これまで過去5回の経験と慣れ、自信と不安、自然と大会、対峙する様々なものに向き合いながらいくつもの山を越えてやってきました。それでも大会として何とか完走することが出来たのは、天気に限らず、本当に沢山の皆さんの協力があったからだと思います。エントリー者、ボランティアスタッフ、沢山のメーカー、また他に類を見ない程の本当に沢山の地元スポンサー、第1回から支えてくれているメインスポンサーに地元強力応援隊、役所関係、ほか山岳関係者に地域の人々、現場スタッフに半年以上身を捧げる実行委員一人一人まで、みんながスリーピークスを好きでいてくれる気持ちが今回程感じたことはありません。自分は第1回目は走って2回目から実行委員だった訳ですが、ランナーもスタッフであり、スタッフもランナーであり、メーカーもスポンサーもランナーで、他関わった人ほとんどが走りたくなり、走った人ほとんどがスタッフとしても協力してくれている、皆が大会を成功に導いてくれているので、いつもながら終わってしまえば、それまでの悩みや不安も噓のように晴れ上がり、清々しい気持ちになれるのです。

今回天気では今迄に無いほど不安を抱えましたが、例えどんな決断をしても皆はそれを受入れて楽しんでくれるような気持ちさえします。しかしそれに甘えることの無いよう、また更に楽しんでもらえるような大会に出来る様、みんなで悩み、信頼を築き上げていきたいと思います。

いつまでも八ヶ岳を楽しく走る為に。有難うございました。

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