2月14日、バレンタインデー。例年だったら世の中は温かいムードに包まれているのでしょうが、今年はこの後各地に大きな被害をもたらした大雪の一日になってしまいました。
午後降り始めた雪は、時間を追うごとに本格的な降雪に。先週の雪もまだ残っている上への積雪は、みるみるうちに例年の大雪ほどになり、それでも益々勢いを増す降雪に雪掻きもままなりません。
夜になって降雪は少し落ち着きましたが、止む事はありませんでした。お客様とともに天気の回復を願いながらも不安な一夜を過ごしました。
予報では気温も上がり、明け方には雪が雨に変わるようなことを言っていましたが、ずっと気温は上がらず、雪も降り止まず。
2月15日。朝、早めに起きて外に出ようとするも、宿の玄関もバーの玄関も吹きだまりのようになっていて、軒下まで10cmほどの隙間しか無いほど雪が・・・。こんなことは今まで初めてです。
自分の身長程もある雪を苦戦して掻きながら、一時間程してやっと道路まで通路を確保。
駐車場の車までも、ジーンナッソーズまでも、とても行けるような状態ではありませんでした。
雪だけではなく、あまりに風が強く、屋根の雪も常に吹き飛ばすので、掻いた道もすぐに埋められてしまいます。じきに雪が止むようだったので、それまで待機することにしました。
9時を過ぎた頃、雪はやっと止みました。雪掻きの再開です。
どこに行くにも大仕事で苦戦。経験した事の無い積雪量に、家族で今後の事も考えながら頭をフル回転しての除雪です。夜になる前に、必要な導線だけは確保と必至に掻き続けました。時折薄らと陽が射したり、青空も見え隠れ。
夕方には何とか数本の導線を確保。ジーンナッソーズまでも辿り着き、屋根の雪下ろしも出来ました。車まで手は廻らなく、今回は雪遊びどころではありませんでした。
土曜日以降の予約はキャンセルになりましたが、前日までのお客様が足止め状態に。
ニュースではあらゆる道に動けなくなって閉じ込められている車が多く、更に小淵沢でも土手からの雪崩で何十台もの車が雪に埋もれてしまったとのこと。除雪が凄く困難になっている様子です。
2月16日。帰れなくなった他のお客様の宿泊があったり、除雪の仕事で来られる方の問合せもありまして、灯油や食材も心持たなくなり、今後の受入れ態勢も考え買物に。近くのスーパーは営業しているとの事で、子供と雪の中を歩いて出かけました。
小淵沢IC前の主要道路も除雪はまだ。聞く所によれば、普段の重機では進めないほどの積雪量だと言う事です。途中立ち往生したトラックや乗り捨てられた乗用車も何台も在りました。
重機の通った後はあるのですが、除雪車では無い為に、あまりの雪の重みにひっくり返ってしまうそうです。幸い少しの野菜とカップメンなど買う事が出来ました。付近に立ち往生した車もあるので、コンビニエンスストアも皆営業中でした。
17日になっても重機は来ません。山梨県も他の地域で大変な災害になっており、月曜日になって国や自衛隊、他県からの援助も大きく動き出しました。暫くは自分たちの身を守るよう、自分たちで出来る事をするしか無さそうです。ニュースが拡大するにつれ、沢山の皆様からの心配と励ましの連絡を頂きました。本当に有難うございます。
夕暮れ時になり、これまで数日静まり返っていた地域に大きな音。待望の重機が除雪に入ってくれて、付近の皆さんもホッと胸を撫で下ろしました。
18日。除雪の応援もフル回転で幹線道路は概ね車が通れるようになって来ました。小淵沢ICは使用出来ませんが、高速道路も開通。電車も少し動き出しました。お客様も無事帰る事が出来ました。私達も一安心。しかし雪はまだほぼそのまま残っています。気温も毎日低く、あまり融ける様子はありません。2次災害を少しでも減らす為に雪掻きも本格的に進めなければなりません。
それから毎日、雪掻きの毎日。19日、20日に雪の予報もあったので大変心配されたのですが、何とか回避されました。寒いながらもいい天気が続いているのは幸いです。
傾斜地であるこの地域の縦道(坂道)は除雪後以外と融けるのが早かったのですが、横道(等高線に沿った道)が以外と車通りも多く凍結がひどくなりました。重機でも氷を掻くことが出来ず、轍もできて氷のボコボコ状態。幹線道路では通行止めにして整備していますが、ここ近隣では住民皆で10cmを越える凍結した氷をかき割っている毎日で、一日かけても数十メートル進めるのがやっと。また除雪の雪の山で視界が悪く、除雪した雪の運び出しもまだやっと少しずつ始まったような状態です。
高速道路や中央本線は通常に戻り、スーパーやお店にも商品は並び始めました。まだまだ車の通れない道、一台がやっと通れる道なども多く、お客様も満足に迎えられる状態にありませんが、数日後からは気温も上がって来るようで、雪解けも始まりそうです。とは言えまた雪が降る可能性もあるので、あまり気は緩めません。
月曜日24日よりやっと学校も始まりました。歩道の確保はまだ出来ていなく、暫くは父兄も付き添っての登校です。
経験した事の無い積雪が、山梨県内では雪に慣れたはずのこの地域でも大変な被害をもたらしました。農家ではビニールハウスの倒壊は甚大でまだ全貌も掴めていない状況です。重機は機能せず、我々もどう雪を掻いていいのかさえ解らない状況でした。雪に慣れていない地域や電気や水道が止まってしまった地域での混乱や不安は計り知れません。もっともっと地域のことを知らなければと思いましたし、皆で力を合わせて行く必要性も沢山感じました。何とか皆で力を合わせて、いい春を迎えられるよう頑張って行きますので、どうぞこれからも応援宜しくお願いします。
沢山のご心配有難うございました。