ちょっと遅れましたが今年も長男の誕生日登山へ。恒例我が家の年中行事です。
今年は前々からずっと決めていた「6年生で甲斐駒」のその年。日帰り弾丸登山も考えましたが、コースは日本三大急登、標高差2200m以上の難コース。私自身夏の働きっぱなしからの運動不足。安全を考えれば一泊が無難、ということで天気予報とにらめっこしながら今年も小学校へ休暇願いを。
台風は避けましたが、今年も天気は不安定。はっきりしない天気の中、晴れを期待して尾白川渓谷、竹宇甲斐駒神社から8時半スタートしました。
歩き始めて1時間ほど、ボッカで降りてきた山小屋の主人とすれ違い、「これまでにいくつかの団体とすれ違い山小屋は既に定員オーバー、今日は止めておいた方がいい」との助言。予想外の展開にさてどうしようかとあれこれ思案。翌日日帰り登山も頭に入れつつ、まあ行ける所まで歩いてみようと再び歩き始めました。
しばらくすると諦めて下山してきた20人程の団体と遭遇。「2人なら大丈夫だよ」「あと10人は入れるって言ってたよ」との言葉を頼りに、とりあえず七丈小屋まで行こう、ダメだったら今日中に降りて来よう、ということになりました。
延々と続く黒戸尾根ルートの登り。厳しい事は解っていましたが、最近はトレランの練習でもこの黒戸尾根を走っている友人もいたので多少楽観視していたのかもしれません。考えれば10年以上振り、久しぶりの60Lのザックが数時間も歩けば容赦なく肩に足に腰に堪えてくるのでした。
コースは流石に皇太子殿下もご利用になられたコースだけあって(もう20年以上前ですが)看板や標識は少ないながら迷う事はないトレイルになっていました。ほとんどの尾根道は両側急峻な崖の上の馬ノ背ようなところを歩くので迷い様も無いですが。
だんだんと霧も出てきて、遠くの景色は一切見えず。
刃渡りも霧の中。見えなくて良かったのかな(笑)左側は直角、右も急峻で大きな岩盤です。
七丈小屋までの後半は梯子と鎖場の連続。
どれもが急ですが、作りはしっかりしているので不安はありませんでした。この辺で朝会った小屋の主人に抜かれました。流石。
午後2時に小屋到着。折り返すにはギリギリの時間になってしまいましたが、小屋の主人に「泊まれるよ」と言われてホっと一息。団体さんでいっぱいでしたが、食事と寝袋は持参してきたので何とか予定通り。良かった〜。
九州から来ていた団体さんや、地元の若者グループ達と話をしながら、またみんなに会えるような気分。みんな山好きで、自分なんかよりよっぽど山のことを知っているし、考えています。色んな話を聞けるのは楽しいし為になります。
朝は少し青空も見えましたが、山頂方面は雲の中。ん〜。
それでもこの朝だけの景色を堪能しながら外で朝ご飯をゆっくり食べて6時前に出発。山頂まではまだ700mほど。頑張りましょう。
結構上の方まで木が茂っていて驚きました。信仰の山と頷けるような不思議な気分になる場所です。
昨日からそうでしたが、道中ずっと至る所に石碑や鉄の剣が並んでいます。この岩の上の剣も何年立っているんでしょう。
やっと頂上らしい雰囲気になってきました。視界が無いのが悔しいです。
ザレ場を越えてもうすぐ。
うっかり頂上と間違えて記念撮影。他の登山者に「頂上はもうちょっと先だよ」と言われて慌ててザックを担ぎ直し。霧が深いとどこが一番高いんだか解りません。
7時半過ぎ、無事登頂。
甲斐駒に登って、その向こう側(北岳や仙丈ヶ岳などの山々)を見せてやりたかったのですが、その願いは敵わず。また来るか?とその気も無く問いかけてみましたが、お互い無言の苦笑い(笑)。それほど疲れました。
下山途中は青空も。本当に一瞬でしたが(涙)。で、下りも更に修行。
「これ垂直でしょ」の梯子。
2人して足が痛いと、中々コースタイムが縮まらず。
霧の中では来るとき見えなかったクモの巣に水滴が付いて妖精のように浮かび上がっていました。
最後の最後に「クマか?」と一瞬ビビリましたが、
真っ黒のカモシカでした。目の下の斑がぬいぐるみの目みたいで愛らしいです。ゆるキャラ決定(笑)しばらく話しかけてしまいました。
と言う訳で、甲斐駒山頂から小淵沢を眺める事も、その向こう側を見る事も出来ませんでしたが、黒戸尾根を歩くという修行(?)は完遂。5歳の誕生日から誕生日プレゼントと称して親父に付き合わされ毎年続いた山登りも6年生で第一部完結です。年一回ながら標高差2200m、距離18km、歩行時間14時間、三大急登とも言われるトレイルを歩ききったのは立派でしょう。だんだん親父の方がキツくなってきました(笑)。親父的には山小屋でおじさん達に「山好きか?」って聞かれて「ハイっ」って答えてたのが何とも嬉しかったです。
さて来年以降はどうなりますか。学校の先生も有難うございました。
尾白川の水はやっぱり美味いです!