はじめは気候と自然に魅せられて小淵沢で生活しようと決めたつもりだった訳ですが、辺りにどことなく漂う雰囲気がそれを後押ししていたのも間違いありません。
移住してから知ったことばかりですが、付近を歩けば、“ララミー牧場” “バッファロー砦” “ラングラーランチ” “トマホークチョップ” “オレゴン” “エルパソ” “サンディア” “ウエスタン牧場” “カントリーロード” といった看板とそれ風の建物が並び、以前この辺りにそんな人たちが沢山集まっていたことを教えてくれる、ちょっと古びた感じがまた魅力でした。
そして大体そこには馬がいて、みんな馬に乗れる。何か他の地域とはちょっと違う魅力に溢れていました。
そしてその源流がラングラーランチにあることを知るのに時間はかかりませんでした。
みんなが “ジャッキー”や“ジョージ”や“トニー”や“マーチン”などと呼び合っていて、馬の名前も大体アメリカの州の名前。役者さん達も巻き込んで、当時のボスを中心に毎週のように集まっては馬に乗り、遊んでいたという話は尽きることがありません。
そんなラングラーランチに10代の頃から入り浸っていたという“ブロンコ”さん率いる Inax Brothers のライブを開催出来ました。
もちろんカントリーミュージック。ラングラーランチOBも沢山集まって、まるで同窓会のような楽しい夜になりました。
いつもはBronco&The Inaxというバンドで小淵沢でも何度も演奏しているのですが、ウチの店も小さいもので今回は3人のアコースティックセット。でもこのセットが皆さんにも初めてだったようで、新鮮だった様子。バンドセットよりもブロンコさんの声も際立って、みんなの温かい雰囲気の中、とにかくバッチリとハマりました。
私でさえライブ中は終始色んなことを思い出しながら浸ってましたから、30年、40年前を知る皆さんにはもっともっと昔の思い出が蘇って来たことと思います。「毎年やろうよ」の声は最高に嬉しいものでした。
この灯火も小淵沢では決して消すことの出来ないひとつ。
さあ、まずは切れたまま何年も張っていない店のバンジョーの弦を張らなければ。